ニュースを見ていると、「投資で騙されて大きなお金を失った」という話が、いまでも後を絶たないと感じます。
もちろん悪いのは騙す側ですが、私たち一人ひとりが正しい知識を身につけておくことも、とても大切です。
私はファイナンシャル・プランナーとして、多くの方のご相談を受ける中で、「ほんの少しの知識が、未来のお金を守る力になる」と強く感じています。
今日はその中でも、投資詐欺から身を守るために「いちばん大切な一つのこと」をお伝えします。
あなた自身はもちろん、大切な家族や友人にも、ぜひ知っておいていただきたい内容です。
まず結論:「自分名義の口座で、法的に保護された金融商品を選ぶこと」
投資でお金を守るためのもっとも重要なポイントは、とてもシンプルです。
「自分名義の口座で、法的に保護された金融商品を選ぶこと」。
これだけで、世の中の「ほとんどの詐欺」を避けることができます。
ここからは、少し丁寧に説明していきますね。
なぜ「自分名義の口座」が大切なのか
投資を始めるとき、証券口座を開設するのが一般的です。
証券口座とは、株式や投資信託などを売買・保管するための「あなた専用の入れ物」のようなものです。
本人でなければ操作できず、原則として他人が勝手にお金を引き出すことはできません。
ところが、投資詐欺の多くは、
- 「この口座にお金を振り込んでください」
- 「海外口座に送金すれば特別な運用をします」
などと、自分名義ではない口座への送金を求めてきます。
どれだけ信用できると思った相手であっても、
他人名義の口座へ送金した瞬間、そのお金の権利は相手のものになります。
相手に「悪意がなかった」としても、簡単には戻ってきません。
どうかこれだけは覚えておいてくださいね。
個人宛てか法人宛てかに関わらず、他人名義の口座への送金は、絶対にしてはいけません。
「法的に保護された金融商品」を選ぶことの意味
もうひとつ大切なのが、資産が法律で守られているかどうかです。
その代表的な仕組みが「分別管理」です。
分別管理とは:
金融機関(証券会社など)が破綻しても、
あなたのお金や有価証券は金融機関の財産とは別に保管され、返ってくる仕組み のこと。
投資信託や株式など多くの商品は、この分別管理の対象です。
※値動きによる損益はありますが、預けていた資産そのものが消えるわけではありません。
投資信託が安心だと言われる理由のひとつが、この法的な保護です。
適切な商品を選べば、長期的に資産が育つ可能性があるだけでなく、
万が一のときにも資産が守られるという安心感があります。
「証券口座なら全部安全」ではないので注意
ひとつ注意したいのは、証券口座で扱うすべての商品が分別管理の対象ではないという点です。
たとえば、少ない元手で大きな取引ができる「信用取引(レバレッジ取引)」はハイリスクで、
分別管理の対象外となることがあります。
多くの人にとって、投資信託のような分別管理がある商品を中心に組み立てることが、資産形成の基本といえるでしょう。
ソーシャルレンディングはどうなの?
少し補足ですが、最近はネットを通じて事業者にお金を貸す「ソーシャルレンディング」という仕組みを利用する人もいます。
自分名義の口座で取引できるため、詐欺師の口座に送るリスクはありませんが、注意点もあります。
- 運営会社が破綻した場合、投資したお金が返ってこないことがある
- 投資信託のように、公的な仕組みで守られるわけではない
「仕組みそのもののリスク」を理解することが欠かせません。
「知っているだけで守れる」ことが、たくさんあります
投資というと、「増やすテクニック」に意識が向きがちですが、
本当に大切なのは 「お金を失わないこと」 です。
そしてその第一歩は、とてもシンプルです。
自分名義の証券口座で、法的に守られた金融商品を選ぶこと。
この基本を守るだけで、私たちのお金はより安全になります。
投資をする・しないに関わらず、
こうした「守りの知識」は、あらゆる世代の方に身につけていただけたらと感じています。
あなた自身はもちろん、ご家族や身近な方の大切なお金を守ることにもつながります。
投稿者プロフィール

- 老後資金づくりを支援するFP
-
1974年兵庫県生まれ。大阪府在住。
20年余りの会社員生活を経て、46歳で独立。
かつてはお金の知識ゼロから独学で投資を実践し、具体的な資産計画を描くことで、組織に縛られない自由な働き方を手に入れました。
現在は、保険・金融商品の販売を一切行わない、完全中立のFPとして活動しています。特定の商品をすすめる立場に立たないからこそ、ご家庭の状況と目標だけを起点に、老後資金づくりの計画策定から実行まで一貫してサポートできると考えています。
老後のお金に不安を感じている方が、「自分らしく、安心して暮らせる未来」を描けるよう、資産バランスの整え方や具体的な行動の道筋を、わかりやすくお伝えすることを活動の軸としています。
学びのプラットフォーム「ストアカ」では、資産運用講座の受講者が延べ700名を超え、最高ランクの「プラチナバッジ」を取得。書籍の執筆やブログを通じた情報発信にも取り組んでいます。
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