「老後が不安だから」と、毎月コツコツNISAで積み立てているのに、なぜかお金の不安が消えない。

気づけば生活費がカツカツで、旅行も外食も我慢してばかり……。

そんな状態を「NISA貧乏」と呼ぶことがあります。

真面目に将来に備えようとしている方ほど陥りやすい、現代の落とし穴です。

でも、少し考え方を変えるだけで、今の生活を犠牲にせず、将来にも安心して備えられるようになります。

この記事では、そのためのヒントをお伝えします。

資産の数字を増やすことだけが、人生ではない

老後のためにお金を貯めることは大切です。

でも、そのために今の生活をすべて我慢する必要はありません。

今しかできない経験、家族や友人との時間、日々の小さな楽しみ——こうしたことにお金を使うことも、豊かな人生を送るためには欠かせません。

「今」を大切にしながら「将来」にも備える、そのバランスを見つけることが、長く資産形成を続けるための秘訣でもあります。

「使えない」のは、先が見えないからかもしれません

「もっとお金を使って楽しみたいけれど、物価も上がってるし将来のことを考えると不安で……」という気持ち、よくわかります。

この「使えない」感覚の正体は、多くの場合「先が見えない不安」です。

将来いくら必要で、今どれだけ貯めればよいかがわからないから、なんとなく使うことへの罪悪感が生まれてしまいます。

そこでおすすめしたいのが、お金の「見える化」です。

将来の収入と支出をざっくりと書き出してみるだけで、「これくらいは今使っても大丈夫」という安心感が生まれます。

完璧でなくて構いません。まずは将来のお金の出入りをおおまかに想像してみることが、最初の一歩です。

「貯める」だけでなく、「上手に使う」技術も知っておこう

資産形成というと、「いかに増やすか」に注目しがちです。

しかし、「どうやって使っていくか」という出口戦略も、同じくらい大切です。

たとえば、65歳時点で積み上げたNISAの資産を一度にすべて現金化してしまうと、あとは預金が減っていくだけになります。

一方、毎年少しずつ売却しながら、残りは引き続き運用させていく方法を使えば、資産をより長持ちさせることができます。

「どう取り崩すか」を知っておくだけで、老後の生活に具体的な見通しが持てるようになります。

積み立てを始めたら、ゴールの描き方も少しずつ学んでいきましょう。

NISAで資産を育てる、本当の意義とは?

派手にお金を使うことだけが幸せではありません。

家族との時間、健康、何気ない日常のなかにこそ、本当の豊かさはあると思います。

それでも資産を育てることには、大切な意味があります。

それは、「自分の意思で、将来の生き方を選べる自由」を手に入れることです。

いつまで働けるか、健康でいられるか——将来のことは誰にもわかりません。

だからこそ、資産という後ろ盾があることで、「もう少し働き方を変えたい」「家族のそばにいたい」と思ったときに、自分の意思で選択できるようになります。

お金を増やすことは、贅沢のためではなく、人生の選択肢を広げるためなのです。

おわりに

SNSでは、NISAや投資についての投稿があふれています。

でも、他の人の基準に振り回される必要はありません。

大切なのは、自分に必要な「お金の計画」を描き、今と未来の心地よいバランスを見つけることです。

自分だけのペースで、今を楽しみながら将来にも備えていきましょう。

今回お伝えした「お金の見える化」と「取り崩しの技術(出口戦略)」については、拙著『50歳から備える「老後資金」と投資の終わり方』でより詳しく解説しています。

NISA貧乏に陥らず、自分に必要な老後資金を蓄える方法を知りたい方におすすめです。

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後資金づくりを支援するFP
1974年兵庫県生まれ。大阪府在住。
20年余りの会社員生活を経て、46歳で独立。

かつてはお金の知識ゼロから独学で投資を実践し、具体的な資産計画を描くことで、組織に縛られない自由な働き方を手に入れました。

現在は、保険・金融商品の販売を一切行わない、完全中立のFPとして活動しています。特定の商品をすすめる立場に立たないからこそ、ご家庭の状況と目標だけを起点に、老後資金づくりの計画策定から実行まで一貫してサポートできると考えています。

老後のお金に不安を感じている方が、「自分らしく、安心して暮らせる未来」を描けるよう、資産バランスの整え方や具体的な行動の道筋を、わかりやすくお伝えすることを活動の軸としています。

学びのプラットフォーム「ストアカ」では、資産運用講座の受講者が延べ700名を超え、最高ランクの「プラチナバッジ」を取得。書籍の執筆やブログを通じた情報発信にも取り組んでいます。

Follow me!

お問い合わせ

お悩み・お困りごとは、
お気軽にお問い合わせください