インデックス投資は、株価指数など特定の指数(インデックス)に連動する投資信託を保有することで、幅広い対象に分散して投資できる方法です。

NISA制度の普及にも後押しされ、全世界株式や米国株式、先進国株式などのインデックス型投資信託を保有している人が急増しています。

その一方、インデックス投資への理解不足のために、うまく資産を増やすことができない人が将来的に増加するおそれがあります。

そこで今回は、インデックス投資で増やせる人のたった一つの条件をお伝えします。

あなたがその条件を満たしているかどうか、確認してみてください。

インデックス投資で増やせる人のたった一つの条件

インデックス投資で増やせる人の条件とは、次のようなことです。

「株価が下落したときにも投資信託を売却せず、保有し続けることができる」

言い方を変えると、なにもせずにずっと放置さえすれば、お金を増やせる可能性が高いということです。

「そんなの簡単では?」と思うかもしれませんが、これは意外と難しいことなのです。

つい先日も、投資信託を保有し続けることが如何に難しいか(保有できない人が多いか)がよくわかる「出来事」がありましたのでご紹介します。

株価が下がると投資信託を売る人が増えるという「事実」

2024年8月5日、日経平均株価は歴史的な下落幅を記録し、大きなニュースになりました。

そして暴落直後の8月7日、国内で販売されている株式投資信託は1609億円の資金流出超過となったそうです。(QUICK資産運用研究所の推計。)

「資金流出超過」とは、投資信託の合計購入額を合計解約額(売却額)が上回ったということです。

それだけ多くの人が、自分が保有している投資信託を手放してしまったということを表しています。

株価が下がれば、株価指数に連動している投資信託の価格も下がります。

そして、投資信託の価格が下がれば下がるほど、安く買えるので「買い時」となります。これは「理屈」です。

一方、安くなっているのに売却してしまうのは、価格下落への恐怖心があるからです。つまり、感情で取引していることになります。

8月の日経平均暴落で投資信託が資金流出超過となったのは、「理屈よりも感情に任せて投資をしている人のほうが多い」ことを反映している可能性が高いのです。

株式市場はどれくらい下落し続ける可能性があるのか?

「歴史的な暴落だったので、今回は例外では?」と思う方がいるかもしれません。

しかし、8月の出来事は「1日の下落幅が最大だった」というだけであり、歴史的な株価暴落というほどのものではありませんでした。

過去には、株価がもっと長期にわたり下落し続けたことが何度もあります。

世界株式について過去30年程度を振り返ったとき、株価が下落し続ける期間は、数か月くらいから最長で約3年ということがありました。3年間での株価下落幅は、おおよそ60%にもなっています。

もし、同じようなことが再び起こったとき、どうなるでしょうか?

おそらく、3年間のあいだに投資信託の積立をやめたり、売却して手放してしまう人が続出すると私は思います。

下落期間が長いほど、下落幅が大きいほど、投資信託の資金流出は膨大な規模になるのではないかと、、、。

そして巷には、「投資なんてやるんじゃなかった」とか、「NISAを推進した政府の責任は重い」などという世論が溢れることになるでしょう。

そんな未来が容易に想像できます。

その一方で、そんなことになっても平然として投資を継続できる人こそ、しっかり資産を増やすことができるのです。

投資信託を持ち続けるために必要なこと

過去に起こったことが、今後も再来するかどうかはわかりません。

しかし、もし大きな下落相場が再来しても安心して投資信託を保有し続けるために、次のような準備をしておくことをお勧めします。

・SNSやテレビの市場動向についての情報や、投資信託の値動きをなるべく見ないようにする

・投資信託を数年以上解約しなくても、資金不足にならないよう資産計画をしっかり立てておく

・自分が保有している投資信託の「想定される値動き幅」を把握しておく

株式以外の資産(債券やゴールド等)にも分散投資をしておく

感情を揺さぶるような情報を適度に制限しつつ、知識を積み重ねることによって、資産運用の落とし穴にハマらないようにしていただければと思います。

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

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