1月はクライアント様の新NISA切り替えサポートなどで忙しく、久しぶりのブログ投稿となりました。

もう2月中旬になってしまいましたが、あらためて2023年のインデックス投資の成績をふり返ってみたいと思います。

結論としては、2023年は各資産タイプとも好調の年となりました。

NISA口座でも課税口座でも、インデックス投資をしている人は誰もがプラスリターンを享受できています。

資産ごとの2023年次リターン

外国株式、国内株式、外国債券、ゴールドの4資産について、2023年の円ベースでの年次リターンをまとめました。

合わせて、円相場(米ドル/円)の年次リターンも記載します。

参照元:myINDEX

各資産とも10%を超えるプラスリターンとなっており、大きく資産が増加した年であったことがわかります。

次に、それぞれの資産について状況を解説します。

外国株式

外国株式の2023年次リターンは+34.4%でした。

外国株式の指数としては、米MSCI社が提供している外国株式インデックスである「MSCI オール・カントリー・ワールド ・インデックス(ACWI) 除く日本 (円)」を参照しています。

いまや「日本で一番売れている投資信託」となったeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が採用しているインデックス「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)(円)」から、日本を除いた指数です。

この指数は投資対象の約66%(2023年9月時点)を米国株式が占めており、アメリカの株式市場の影響をもっとも大きく受けます。

2023年の米国株式は、景気後退の懸念が薄れて好況となりました。

さらに、円安が進行したことが、日本から海外株式へ投資したときのリターン向上に寄与しました。

日本から海外資産に投資した場合、円安が進めば値上がりし、円高が進めば値下がりすることになります。

2023年は、全世界株式型、米国株式型のインデックス投資信託は軒並み絶好調であったといえます。

日本株式

日本株式の年次リターンは+28.3%であり、こちらも非常に好調となりました。

日本株式の指数としては、東証株価指数(TOPIX)を参照しています。

世界の株式市場の好況がよい影響を与えたこともありますが、それ以外にもいくつかの要因があるといわれています。

まず、2023年は史上最高益を更新する企業が続出するなど、大企業を中心に日本企業の業績はとても良好でした。

また、著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が日本の商社株に投資するなど、海外投資家からの評価が高まってきています

日本の株式市場における海外投資家の影響力は大きく、日本企業への評価が見直されつつあることは、長期的にみても好材料です。

外国債券

外国債券の年次リターンは+13.2%でした。

外国債券の指標としては、英FTSE社が提供している外国債券インデックスである「FTSE世界国債インデックス 除く日本 (円)」を参照しています。

本指標は、アメリカやヨーロッパなど主要国の国債を投資対象としています。

コロナショック以降、主要国ではインフレを抑制するために高金利状態が続いています。金利が上がると債券価格は低下するという関係があるため、ここ数年の債券市場は低迷しています。

2023年も各国通貨ベースでの債券価格は低調でしたが、円安の影響で円換算した価格はプラスリターンとなりました。

債券市場が低迷しているということは、投資の好機である可能性もあります。

昨今の株価高騰でプラスリターンを享受できているのは「株価が安かったときに購入していた人」です。

低迷している資産(=安い資産)にこそ目を向けることは、長期で資産をつくるためにとても重要だと思います。

ゴールド

ゴールドの年次リターンは+24.4%でした。

ゴールドの指標はロンドン金価格を円換算したものです。

「有事の金」ともいわれるように、世界情勢が不安定なときにゴールド価格は上昇しやすくなります。

ここ数年、感染症の流行や地域紛争などさまざまな不安要因により、ゴールド価格は歴史的な高騰状態となっています。

2023年もゴールド価格は上昇し、円安効果もあって日本から投資したときのリターンが大きくなりました。

高値なので決して投資の好機とはいえませんが、、、

「安くなってから買おう」と考えると、いつまでも安くならなかったりするのが投資の世界です。

ゴールドにも投資するなら、高くても安くても、毎月一定額を積立購入していくことをお勧めします。

過去3年間の年次リターン

ここまで解説した4種類の資産と円相場について、2023年も含めた過去3年間の年次リターンを見てみましょう。

参照元:myINDEX

3年連続でプラスリターンなのはゴールドのみであり、他資産は2022年がマイナスリターンでした。

インデックス投資においては、単年での変動はあまり気にせず、長期的な成長に目を向けることが重要です。

とはいっても、やはり値動きの大きさは不安要素となりますので、安心して長期運用を継続するためにも複数資産への分散が大切だと私は考えています。

また、円安傾向が3年間ずっと続いていることも、留意しておくべきでしょう。

以前のような円高時代には戻りにくいとも言われていますが、それにしても今が「行き過ぎた円安傾向」にある可能性は高いです。

「円高への揺り戻しによる外国資産価格の下落」は、これから必ず発生することとして、準備をしておくことも大切だと思います。

まとめ

国内外の株式、外国債券、ゴールドのいずれも、2023年は大きなプラスリターンとなりました。

円安が進行したことが、外国資産の値上がりに大きく寄与しています。

NISA口座でも課税口座でも、インデックス投資をしている人は誰もが資産を増やせた年でした。

1年間で10~30%超も増えたのはスゴイですよね。やはり運用成果がプラスだと嬉しくなると思います。

一方で、積立期間中はマイナスリターンになったほうが「安く買えている」ことになるため、将来資産は増えやすくなるともいえます。

長期目線で資産を管理する考えかたを身につけていくことが大切ですね。

Follow me!

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

お問い合わせ

お悩み・お困りごとは、
お気軽にお問い合わせください