昨年あたりから、日本の株式市場が好調です。

今年(2024年)の1月からは新NISAが始まったこともあり、日本株への注目はますます高くなっています。

では、この波に乗って「いま日本株に積極投資すべきか」というと、そうではありません。

資産運用でもっとも大事なことは、注目されていないときに投資する(安いときに買う)ことなんですよね。

これは難しそうに思えるかもしれませんが、「長期保有」を前提として取り組めば、誰でもできるようになります。

日本株の現状を例にとり、どうすれば投資先を適切に見極めて資産を増やせるようになるのかを考えてみましょう。

日本の株式市場の状況

日本の株式市場は非常に好調となっており、直近1年間の成績を見ると、日本の株価指数であるTOPIXがアメリカのS&P500を上回っています

参照元:Google Finance(TOPIX、S&P500チャート、2024年4月25日時点)

TOPIXは+31.59%の上昇を記録しており、一方のS&P500は+24.56%にとどまっています。

1年間とはいえ、アメリカの株式市場を上回っているのは素晴らしいですね。

私自身も、投資資産の一部を日本の株式市場に割り当てているため、株価の上昇による恩恵を享受しています。

日本株で「いま増やせた」理由

私が日本の株式市場に投資している理由はさまざまです。

まず第一に、株価が割安な状態が続いていたからです。

また、為替リスクのヘッジや日本の企業を応援したいという気持ちもあります。

さらに、配当金収入を得たいという考えも、私にとっては重要な要素となっています。

上記のうち、「いま増やせている理由」に焦点を当てると、割安な資産を見極めることが出来ていたから、ということになります。

株価の上昇には企業の利益が大きく関わっていますが、株価と企業利益の動きが必ずしも一致しないことも事実です。

過去数年間を振り返ると、日本の株式市場はアメリカと比較して割安な状態が続いてきました

株価の割高、割安を判断する指標のひとつである「PER(株価収益率)」の推移を示します。

参照元:myINDEX(世界各国のPER・PBR・時価総額)

PER(株価収益率)は、株価を1株あたりの純利益で割って求められます。

したがって、PERが高いほど業績に対して株価が過大評価されており(割高)、逆にPERが低いと過小評価されている(割安)ことになります。

PER推移をみると、2016年以降にPERの日米差が拡大し、日本株のほうが割安となっていることがわかります。

割安だと絶対によい、というわけではありません。

企業が利益を出せなければ、そもそも株価は上がらないからです。

「利益は出ているのに、株価が安い」結果としてPERが低くなっているかを判断することが重要です。

最近の日本企業は、収益性は改善しているのにもかかわらず、米国企業と比べて世界的な注目度は低かったと言えます。

株価が上昇するのにはさまざまな要因がありますが、この割安な状態を是正する力が働いたことが、日本株上昇のひとつの要因であるといえます。

どうすれば割安な資産に投資できるか?

「高いときよりは安いときに買ったほうが利益が出やすい」ということは、誰にでもわかることです。

ところが、実際の市場では直近の成績がよいもの(いまは高いもの)に人気が集まる傾向があります。

最近だと、インド株に投資するような商品がランキング上位にきているのは、その典型例だと思います。

逆に、割安なものは直近の成績が悪い傾向にあるため、投資するには勇気が必要となります。

では、どうすれば割安な資産にも目を向けていくことができるでしょうか?

その答えは、「長期目線での資産運用」にあると思います。

株式などの投資性資産は、けっして短期的に売買するものではなく、ずっと持ち続けていくものであると定義づけることが第一歩です。

今年が割安だからといって、来年すぐに値上がるかどうかはわかりません。何年も(ときには10年も)割安な状態が続くことも考えられます。

10年、20年という時間スケールで資産運用を捉えてこそ、割安な資産、割高な資産をじっくり検討していくことができるのです。

投資を行う際には、誰もができるだけ早く利益を上げたいと考えるでしょう。

しかし、その気持をいかに抑えることができるかが肝要です。

長期的な視野を持って資産配分を管理できる人が、最終的に最も成功する可能性が高いのだと思います。

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投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

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