警視庁の調べによると、SNSでの勧誘がきっかけとなる投資詐欺の被害が、2023年の1年間で総額455億円に登っているそうです。

これは、オレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害額(約441億円)を超えています。

かなり深刻な社会問題となっていることが伺えますね。

今回は、SNS型投資詐欺の概要を説明し、被害に合わないための対策について考えてみたいと思います。

SNS型の投資詐欺とは?

SNS型の投資詐欺とは、株式、FX、仮想通貨などの儲かる情報を提供して勧誘し、指定口座へ金銭を支払わせる詐欺です。

2023年の被害総額は455億円(3846件)であり、被害の内訳は、①著名人になりすまして勧誘する行為などの投資詐欺が約278億円、②恋愛感情を抱かせたうえで投資話を持ちかける「ロマンス詐欺」約が177億円となっています。

SNS型投資詐欺の被害状況

①SNS型投資詐欺と、②SNS型ロマンス詐欺のうち、ここでは前者を取り上げます。

警視庁の資料を参照すると、SNS型投資詐欺の被害者は男性が約57%、女性が約43%となっています。

被害者の年齢層をみると、男女ともに50代がもっとも多く、男性では60代が、女性では40代が次に多くなっています。

総じて、30代以下の若い世代より、40代以上の被害者が多いことが特徴です。

参照元:警視庁資料

SNS型投資詐欺の典型的な手口

SNS型投資詐欺の典型的な手口は以下のとおりです。

  • SNSが入口

FacebookやInstagramなどのSNS広告から、LINEグループに招待されます。

投資内容は株式、FX、仮想通貨などさまざまであり、「ノーリスクで儲かる」、「すぐに増やせる」、「誰にでもできる」など耳障りのよいうたい文句が特徴です。

  • 著名人へのなりすまし

経済アナリストや投資家など著名人の名前を語り、信用させます。

写真を利用するなど、いかにも本人が発信したり、本人が監修しているかのように装っていますが、すべて無断借用です。

最近だと、ZOZO創業者の前澤友作さんが、FacebookやInstagramを運営しているMeta社に対して「取り締まりがゆるく、企業責任を果たしていない」という旨の抗議をして大きな話題となっていました。

  • サクラの投稿

LINEグループに加入すると、「実際に儲かっている」という投稿が流れており、その気にされられます。

しかし、グループ内メンバーはサクラであり、投稿もニセ情報です。

  • 最初だけ、利益が振り込まれる

投資資金は指定口座へ振込するよう指示があります。

最初のうちは、試しに少額で投資して、実際に利益が振り込まれることがあります。

しかし、本当は利益ではなく、自分が振り込んだお金の一部が戻っているだけです。

  • 突然、連絡が途絶える

大丈夫そうだと安心して、徐々に大金を振り込むと、そのうち換金できなくなります。

最終的には突然連絡がとだえ、振り込んだお金は返ってきません。

投資詐欺にあわないためできること

SNS型投資詐欺の広告をみたとき、大半の人は「これは怪しい」と気づくと思います。

実際に投資詐欺に巻き込まれてしまう可能性は、それほど高くはないかもしれません。

しかし、「自分はぜったいに大丈夫」と慢心してしまうのは危険です。

詐欺の手口はいつも同じではなく、次々に変化したり、より複雑化していくものだからです。

自分や家族が投資詐欺にあわないよう、以下のことを心がけていただければと思います。

うまい話はないことを知る

世の中に「ぜったい儲かる」とか「まったくリスクがない」というような投資はありません。

もちろん、NISAを利用した場合も「必ず儲かる」わけではありません。長期保有で増える可能性は高いですが、短期的にはマイナス期間も発生します。

値動き(=リスク)を我慢した報酬として、将来の資産が増えるのです。

(自分が知らないだけで、)本当はどこかによい情報があるのでは?とついつい考えてしまうものです。

しかし、「そんなにうまい話はない」ことをまずは知っておきましょう。

もし仮に、絶対儲かる手法があったとしても、それを知っている人は絶対に秘密を厳守するでしょう。そんな情報が、私やあなたのところにやってくることは決してありません。

お金の話、相談ができる環境をつくる

自分ひとりの判断では、思い込みで突き進んでしまうこともあるでしょう。

そんなとき、少しでも相談できる人が身近にいれば、間違いに気づくことができると思います。

日本人は身内であっても、お金の話をあまりしない傾向があります。

SNSを通じて人それぞれに違う情報が届くようになった昨今、お金の話をしないという風潮は、詐欺被害にあってしまう人を増やす一因になっているのかもしれません。

夫婦間、親子間など普段から家庭内でもお金の話をうまく共有できるよう、工夫することが大切ではないかと思います。

身近な人に対して、「あなたは大丈夫?」と声をかけるようなおせっかいを、してみてはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後資金づくりを支援するFP
1974年兵庫県生まれ。大阪府在住。
20年余りの会社員生活を経て、46歳で独立。

かつてはお金の知識ゼロから独学で投資を実践し、具体的な資産計画を描くことで、組織に縛られない自由な働き方を手に入れました。

現在は、保険・金融商品の販売を一切行わない、完全中立のFPとして活動しています。特定の商品をすすめる立場に立たないからこそ、ご家庭の状況と目標だけを起点に、老後資金づくりの計画策定から実行まで一貫してサポートできると考えています。

老後のお金に不安を感じている方が、「自分らしく、安心して暮らせる未来」を描けるよう、資産バランスの整え方や具体的な行動の道筋を、わかりやすくお伝えすることを活動の軸としています。

学びのプラットフォーム「ストアカ」では、資産運用講座の受講者が延べ700名を超え、最高ランクの「プラチナバッジ」を取得。書籍の執筆やブログを通じた情報発信にも取り組んでいます。

Follow me!

お問い合わせ

お悩み・お困りごとは、
お気軽にお問い合わせください