最近、日本の株式市場が再び盛り上がりつつあります。2025年7月には、日経平均株価が一時4万2000円台をつけ、過去最高値(4万2224円)に迫る場面もありました。
そんな話題を耳にして、
「NISAでファンドを選ぶとき、日本にも投資したほうがいいの?」
「日本株って、あまり期待できないのでは…?」
と感じた方もいるかもしれません。
たしかに、米国株や全世界株に注目が集まるなかで、日本株に対しては慎重な見方をする方も多いようです。
今回は、日本の資産への投資について、私自身の考えをお伝えしたいと思います。
すでに私たちは日本に投資しています
「日本に投資したことなんてない」と思っている方も多いかもしれません。でも実は、ほとんどの人が意識せずに日本に投資しているのです。
たとえば、銀行に預けている日本円の預金。これも、広い意味では日本の資産への投資といえます。
というのも、銀行は預かったお金を、企業や個人への貸し出しに使っていて、私たちのお金が経済を支える役割を果たしているからです。
さらに、預けたお金には、たとえわずかでも利息がつくため、私たちは時間とともにリターンを受け取ることができます。
積極的にお金を増やす投資とは少し違いますが、「将来のためにお金を活かす」という意味で、預金も立派な資産運用のひとつなのです。
日本株に投資するメリットとは?
ここでいう「日本株への投資」とは、個別の企業ではなく、日本全体の株式市場に連動するインデックスファンドを通じた投資を指します。
まず、日本株ファンドの主なメリットは以下の2つです。
- 海外株より為替リスクが小さい(日本円での運用のため)
- 日本企業を応援できる
海外株のファンドは、米ドルなど外国通貨で運用されます。そのため、為替の影響を受けやすく、円高になると資産が目減りすることもあるのです。
一方で、日本株ファンドは円建てなので、為替の変動によるリスクは少なくなります。
また、日本株に投資するということは、日本の企業活動を支えることにもつながります。
投資信託を通じて企業に届けられた資金は、設備投資や研究開発、人材育成などに使われ、めぐりめぐって社会や個人の生活を豊かにしていく力になります。
日本株に投資するデメリットは?
日本株ファンドにも、注意すべき点はあります。それは、海外に比べて経済成長の余地が限られていることです。
日本は人口減少や高齢化が進んでおり、今後の成長率には限界があるといわれています。
そのため、「資産を増やす」という観点では、成長力のある国に投資した方がリターンは見込みやすいと考えられます。
とはいえ、これは「日本株はダメ」という話ではありません。 先に書いたような日本株ならではの魅力もあり、状況に応じて組み合わせる選択肢として十分アリなのです。
海外株だけでいいの?という疑問について
私の考えとしては、長期的な成長期待をふまえ、投資信託での運用は海外株を中心にすることを基本にしています。
ただし、運用リスクを抑えたい方や、「やっぱり日本を応援したい」という想いがある方は、日本株ファンドを組み入れてもよいと思います。
ここで抑えておきたいポイントが、「すでに十分な円資産を持っているかどうか」という視点です。
たとえば、預金が500万円ある人が、毎月1万円ずつ投資信託で積立しているとします。
このような場合、預金という「円建て資産」をたくさん持っていること自体が、日本への投資にもなり、リスク分散にもなっているといえるのです。
投資の前に、まず資産全体のバランスを
「日本株を入れるべきかどうか」と考える前に、まず大切なのは、全体の資産配分(アセットアロケーション)をどう設計するかです。
預金がどれだけあって、投資にはどのくらい回せるのか。 その投資の中で、どれくらい海外に振り分けて、どれくらい日本に残すのか。
このバランスによって、適切な投資先や割合も変わってきます。
まとめ:私たちの暮らしと、未来の安心のために
「日本株ってどうなんだろう?」と迷う気持ち、よくわかります。
でもまずは、自分の全体の資産のなかで、日本の資産がどれくらいあるかを確認してみてください。
そのうえで、成長を狙って投資する部分は海外株中心に、安定や共感を重視する部分は日本株を――そんなふうにバランスをとっていくと、自分に合った投資スタイルが見えてくるはずです。
資産配分の考え方は、人によって正解が異なります。
「自分の場合はどうしたらいい?」と感じたときは、どうぞ気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール

- 老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
- 「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。
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