今、私が加入している民間保険は、賃貸マンションの火災保険だけです。

月にすると数百円ほどで、いわば「ほぼ保険ゼロ」の状態。

おかげで固定費がかなり下がり、家計のストレスがずいぶん減りました。

でも、ここにたどり着くまでには、いくつもの「気づき」と「手放し」のステップがありました。

お金の勉強を始める前は、「なんとなく」加入していた保険がたくさんあったからです。

今回は、そんな私自身の「保険ゼロ化までの道のり」を、少し振り返ってみようと思います。


①個人年金保険

最初に解約したのは、個人年金保険でした。

老後生活に備えるために、一定期間保険料を払い、決まった年齢から年金として受け取るという仕組みのものです。

30代のころ、保険の営業の方にすすめられるまま「将来のために」と加入しました。

けれど、お金の勉強を始めてみると、運用の利率がとても低いことを知り、驚きました。

「どうせ何十年も積み立てるなら、もっと増やせる方法があるはず

そう考えて、思いきって解約しました。


②終身保険

次に見直したのは、終身保険です。

これは、私が20代の頃に親が契約し、その後、私が引き継いだもの。

正直なところ、保険の中身をあまり理解しないまま、「なんとなく」で長い間ずっと保険料を払い続けていました。

ところが調べてみると、「解約すればお金が戻る」とはいえ、実際の運用効率はとても低いことがわかりました。

子どももおらず、妻も働いている我が家では、死亡保障を手厚くする必要もありません。

「定期保険(掛け捨てタイプ)に切り替える」という選択肢もありましたが、結果的にそれも不要と判断。

保険をひとつ見直すたびに、「いまの自分たちに本当に必要な安心とは何か」を立ち止まって考える時間になりました。


③医療保険

最後に手放したのが、医療保険です。

これは掛け捨てタイプで、月々の負担も小さかったので「まあいいか」とそのままにしていました。

でも、社会保険の制度や医療費の自己負担の仕組みを理解するうちに、「実際には医療費はそんなに大きな出費にならないかもしれない」と気づいたんです。

さらに、医療保険は年齢を重ねるほど使う可能性が上がる一方、そのぶん払ってきた保険料の総額も増えていくという現実があります。

「だったら、その保険料を自分で積み立てておいたほうが、自由に使えるし、上手に運用すればもっと効率よく増やせるかもしれない」——そう思い、ついに解約を決断しました。


解約して感じた2つの大きなメリット

保険を減らしてみて感じたのは、「身軽さ」と「自由」でした。

ひとつ目のメリットは、支出の削減です。

毎月数万円の保険料が減ったことで、年間では数十万円もの違いになりました。

生活の質を落とすことなく、「自然とお金が残るしくみ」ができた感覚です。

ふたつ目は、運用の効率が上がったこと。

以前に保険に回していたお金を、手数料の低いインデックスファンドの積立に振り替えました。

同じような投資先でも、保険商品より手数料が圧倒的に低い分、長期的には手元に残るお金が大きく変わることを実感しています。


まとめ

もちろん、すべての人に保険が不要というわけではありません。

けれど、今回ご紹介した流れ――
「個人年金」→「終身保険」→「医療保険」という見直しの順番は、多くの方にとって参考になるかもしれません。

大切なのは、「保険は保障を、資産形成は自分で」という考え方です。

保障と資産づくりをきちんと分けて考えられるようになると、お金とのつき合い方が断然シンプルになります。

これからも、そんな「身軽で安心できる暮らし」を目指して、少しずつ整えていけたらと思っています。

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

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