アメリカ大統領選挙の投開票が11月5日(火)に迫ってきました。

民主党のカマラ・ハリス副大統領、共和党のドナルド・トランプ前大統領のどちらが選ばれるのか、フタを開けてみないとわからない情勢です。

「もしトラ」という言葉もあるように、もしトランプ氏が再選した場合、より大胆で過激な政策がとられるおそれがあり、国際情勢や世界経済への影響も大きい可能性があるといわれています。

一時期は「ほぼトラ(ほぼトランプ氏が勝つ)」とも言われましたが、バイデン氏が候補から撤退した後はハリス氏優勢と言われた時期もあり、米国世論が揺れ動いている様子が伝わってきます。

NISAで全世界株式などの投資信託を保有している場合、アメリカの大統領選が自身の資産形成におよぼす影響も大きくなってきます。

そこで、NISAでの運用に「政治情勢」が与える影響とその対策について、短期~長期といった時間軸ごとに考えてみたいと思います。

①短期的な影響と対策

政治的イベントは、短期的には金融市場に大きな影響をおよぼすことがあります。

大統領選後の数日から数週間程度は、株価や為替レートの乱高下によって、保有している投資信託の価格も大きく変動するかもしれません。

ただし、そのような「過剰反応」はたいてい一過性であり、とくに気にする必要も、何かしらの対策をとる必要もありません。

私のクライアント様のなかにも、「普段は証券口座のサイトをほとんど開いていません」という方もいらっしゃいますが、それでいいと思います。

市場の変化が大きいときほど、普段から値動きを気にしていない人のほうが、安心して継続しやすくなります。

②中期的な影響と対策

アメリカの政策は、国際情勢や世界経済への影響が大きいため、大統領選の行方は数ヶ月~数年程度の中期的な市場変化につながる可能性もあります。

たとえば、景気の先行き不安が拡大して株価が下落したり、利下げ圧力によるドル安(円高)が進んだりすれば、投資信託価格の下落や伸び悩みにつながります。

このような事態への備えとしては、資金計画をしっかり立てておくことが重要です。

預貯金が足りなくなって、値下がりしたタイミングで売却してしまうことがないように、家計の金融資産のバランスが適切であるかどうか見直しておくことをおすすめします。

③長期的な影響と対策

10年~20年といった長期的な影響については、考えるだけ無駄かもしれません。

いまから10年前に、新型コロナウイルスの世界的流行や、ロシアのウクライナ侵攻の時期を正確に予想していた人などいないはずです。

紛争の拡大、気候変動、テクノロジーの急速進展などによって、我々を取り巻く環境はますます変化が激しく、将来が不確実になるといわれています。

今回の大統領選の結果がどうなろうとも、長期的な影響は小さいと思います。

将来がわからないからこそ、「お金の置き場所をいろいろとわけておく」ことがより重要になります。

たとえば、円預金の保有比率が高すぎると、物価上昇(インフレ)や円安が続いたときに、資産価値がどんどん減ってしまいます。

逆に、株式の保有比率が高すぎると、不安が増して資産運用を継続することが難しくなるかもしれません。

安心して家計を管理していけるように、自分の状況に合わせて、さまざまな資産への分散を実行することをおすすめします。

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

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