以前の記事で、個別株よりも投資信託(インデックスファンド)のほうが将来の資産形成に適している理由について解説しました。
▶「個別株と投資信託、どっちがいい?NISAでの最適な選択とは」
個別株投資は、銘柄選びが難しく、適切な管理も求められるため、長期的に資産を増やすには相応の労力が必要です。
一方、インデックスファンドは運用会社が市場の成長に合わせて投資先を入れ替えてくれるため、投資家は「ほったらかし」でも資産を増やしやすいのが特徴です。
それでも、個別株投資には配当金や株主優待が得られる楽しみや、企業や経済の知識を深められるメリットもあります。
そこで今回は、インデックスファンドと個別株の最適な投資割合について解説します。
投資信託と個別株の割合は「コア・サテライト戦略」で考える
コア・サテライト戦略とは、投資資産を「コア(中心)」と「サテライト(周辺)」に分けて管理する方法です。
コア資産は、比較的リスクが低く安定的に運用できる資産(例:全世界株式インデックスファンド)。
サテライト資産は、リスクが高いがハイリターンを狙える資産(例:個別株やアクティブファンド)。
投資の主体をインデックスファンドにしつつ、余力で個別株にも投資するイメージです。
※「インデックスファンドはリスクが低い」と言っているわけではありません。個別株と比較するとリスクが低いだけであり、預貯金や債券と比べれば全世界株式はハイリスクである点には注意が必要です。
コアとサテライトの最適な割合は?
コア資産の割合は「70~90%」くらいが一般的。つまり、サテライト資産は「10~30%」ということになります。
投資初心者が個別株に挑戦する場合、インデックスファンド90%・個別株10%から始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、個別株の割合を20%、30%と増やしていくことで、リスクを抑えながらチャレンジできます。
具体的な投資割合の例
毎月5万円の積立投資をする場合、年間では 5万円 × 12か月 = 60万円 となります。
個別株の割合を「10%」に設定するなら、年間6万円(60万円 × 10%)を個別株に投資し、残り54万円(4.5万円 × 12か月)はインデックスファンドに積立投資する形になります。
少額から個別株に投資する方法
「年間6万円で個別株投資はできるの?」と疑問に思うかもしれませんが、ネット証券を使えば1株単位で投資可能です。
例えば、SBI証券や楽天証券では1株(数百円~数千円)から購入できるため、少額資金でも始められます。
個別株投資では、インデックスファンドのような「積立投資」ができないため、自分で銘柄を選び、その都度発注する必要があります。
まずは、「興味のある企業の株を1株だけ買ってみる」という方法で始めてみるのもよいでしょう。
具体的な個別株の銘柄例(1株5,000円未満)
※カッコ内は2024年10月18日の株価終値
【化粧品・美容業】
・資生堂(3,412円)
・ポーラ・オルビスホールディングス(1,502円)
【ファッション・小売業】
・オンワードホールディングス(539円)
・マツキヨココカラ&カンパニー(2,120円)
【食品・飲料業】
・カルビー(3,385円)
・伊藤ハム米久ホールディングス(3,840円)
【交通・サービス業】
・東日本旅客鉄道(2,986円)
・オリエンタルランド(3,547円)
【情報・通信業】
・LINEヤフー(427円)
・メルカリ(2,389円)
まとめ
資産形成の基本はインデックスファンドを軸にすることです。これにより、手間をかけずに長期的に資産を増やすことができます。
一方で、個別株投資には配当金や株主優待の楽しみがあり、経済を学ぶきっかけにもなります。
そのため、最初はインデックスファンド「90%・個別株10%」からスタートし、慣れてきたら個別株の割合を増やしていくのが現実的な方法です。
無理のない範囲で「楽しみながら投資するスタイル」を見つけてみてください。
投稿者プロフィール

- 老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
- 「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。
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