最近、とても面白い本に出逢ったので、ご紹介したいと思います。

「バッタを倒しにアフリカへ」という、どんな内容なのか想像できないようなタイトルなのですが、読み始めたら止まらなくなる面白さで、かつ仕事や人生についての学びもありました。

アフリカで深刻な被害をもたらしているバッタ災害を食い止めるため、サハラ砂漠に乗り込んで奮闘する、若き昆虫学者のお話しです。

発行されたのは2017年であり、これまでに25万部以上も売れているベストセラーだそうです。

なぜ、バッタ博士の著書がベストセラーになるほど売れているのか?

実際に読んでみると、多くの読者を惹きつける魅力がたくさんあると感じました。

異文化体験と個性的な登場人物

この本の魅力のひとつは「異文化コミュニケーション」にあると思いました。

著者がバッタ研究のため滞在したのはモーリタニアという国であり、人々の暮らしぶりや考えかたなど、何もかもが日本とあまりにも違っていて驚きます。

たとえば仕事に関しては、「モーリタニア時間」というものがあり、約束の時間より1時間~数時間遅れるのはあたりまえ。時間どおり集まらなくても誰も気にしないそうです。

他にも、食文化や恋愛・結婚の風習の違いなどの描写もあって面白かったです。

ちなみにモーリタニアは、モロッコと並んで日本に大量のタコを輸出している国です。スーパーで「モーリタニア産」のタコを見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?

さらに、モーリタニアの研究所で出逢う人々が個性的なんです。

研究所のババ所長は、日本人である著書を気遣って支援してくれたり、ときには温かいアドバイスをしてくれたりします。まさに「理想の上司」という感じ。

運転手のティジャニは著者を慕ってくれいて、モーリタニアでの研究生活に不可欠な「相棒」的な存在です。

日本から遠く離れてほとんど言葉も通じない土地で、心の交流を深めていく姿は感動的でもありました。

バッタ博士の成長ものがたり

バッタに対する熱い想いをもってモーリタニアに乗り込んだ著書を待っていたのは、「研究対象であるバッタがほとんどいない」という厳しい現実でした。

成果が出ないまま資金は減っていき、とうとう「無収入」になってしまいます。

著者が無収入のどん底で塞いでいるとき、ババ所長がこんな言葉をかけてくれます。

「つらいときは、自分よりも恵まれている人を見るな。惨めな思いをするだけだ。」

「世の中には、靴がないからペットボトルを潰して履いている人もいる。つらいときは、自分よりも恵まれていない人を見て、自分が如何に恵まれているかに感謝するんだ。」

「研究所は引き続きサポートするし、私はおまえが成功すると確信している。ただちょっと時間がかかっているだけだ。」

ババ所長の励ましもあり、著者は前向きな気持を取り戻すことができました。

大好きな研究を続けたいという想いと、無収入というハンデを逆手にとったアイデアが、やがて実を結んでいきます。

さまざまな人との出逢いを糧にして、成長していくストーリーに惹き込まれ、夢を追いかけることの素晴らしさを感じることができました。

もちろん、バッタ研究の本なので昆虫の生態についても学びがあります。

「虫のことを想像するのもムリ」という人にとっては苦手な描写もあるかもしれませんが、、、

たくさんの人にオススメできる本だと思います。

「バッタを倒しにアフリカへ」本のあらすじ・感想・レビュー

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

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