先日、福井県若狭町にある「福井県年縞博物館」まで一人旅をしてきました。
年縞博物館とは、福井県にある三方五湖のひとつ、水月湖での「世紀の発見」をきっかけに2018年にオープンした博物館です。
訪問当日は梅雨前線が活発化していて大雨となり、JRの在来線が午前中いっぱい運休していました。
午後からも大幅遅延しましたが、なんとか目的地の博物館までたどり着くことができました。
水月湖は「奇跡の湖」
水月湖の底には、連続層としては世界一長い7万年分(厚さ45m)の年縞が眠っています。
過去の気候変動を研究する学問分野などにおいて、世界的にも非常に貴重な場所なのです。
年縞とは?
年縞(ねんこう)とは、長い年月をかけて湖の底に土などが積み重なってできた「しま状」の堆積物です。
年縞を詳細に調べることで、大昔の気候が詳細にわかります。
地球の過去の記録を正確にさかのぼるには、途切れずにできるだけ永く積み重なった年縞を見つけることが重要です。
しかし、湖底の年縞は、生物や人間の活動によってかんたんに壊されてしまいます。
さらに、年縞は堆積物なので、それ自体が積み重なることで湖の水深が浅くなっていき、やがて湖自体が消失してしまいます。
そのため、保存状態のよい年縞が見つかることは、非常に稀なのです。
水月湖に世界一の年縞ができた2つの理由
水月湖に世界一長い7万年分の年縞ができた理由は2つあります。
ひとつ目は、湖底付近が「無酸素状態」を保っている特殊な環境です。
酸素がないと、生物が活動できないため、年縞が壊されることなく保存されました。
ふたつ目は、活断層の動きによって湖自体が少しずつ深くなっているため、年縞が堆積しても湖が消失しなかったという理由です。
水月湖は特殊な自然環境が生み出した、まさに「奇跡の湖」なのです。
過去を知ることの意義
年縞の研究によって、過去には現代の温暖化などはるかに凌ぐ「激変する気候」が存在していたことが明らかになりました。
過去数万年のあいだ、われわれの祖先は、現代の常識を超えて気候が大きく変動する時代を生き抜いてきたのです。
年縞博物館には、水月湖から採取された45mの年縞サンプル、過去の気温変化や火山活動など気候変動の歴史を学べるパネルや映像資料が展示されていました。
過去の出来事を知ることは、これから先の未来になにが起こるのか想像する力を養うことにつながります。
次の世代に、どんな地球環境を残していけるのか。
その責任を負う一人の大人として、自分にできることを考えていきたいと思いました。
今回は大雨のため、年縞博物館に行くだけでした。
水月湖をめぐる遊覧船もあるようなので、天気がよいときにまた訪れたいです。
敦賀駅前のホテルに宿泊しました。
夕食に訪れた食事処、「まるさん屋」で注文したお刺身がとても美味しかったです。
投稿者プロフィール
- 「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。
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