前回の記事で、40~50代以降の方におすすめの成長投資枠の使い方として「債券やリート、ゴールドなどを取り入れた分散投資」についてご紹介しました。
前回記事はこちら:NISA成長投資枠はこう使う!中立FPがすすめる3つの投資スタイル
今回は、その具体的な方法について解説します。
「なるべくリスクを抑えながら安心して投資を続けたい方」や、「自分の投資のやり方がこれで合っているのかな…」と感じている方におすすめの内容です。
成長投資枠をどう使う?まずは基本の考え方
成長投資枠というと、「リスクを取って高いリターンを狙う枠」とイメージする方も多いかもしれません。
確かに、個別株式やアクティブファンドなど、幅広い商品に投資できる特徴はあります。しかし、リスクを上げれば「大きく減らす可能性」も増えることになります。
特に40代以降の方は、老後に向けてより堅実な資産形成の重要性が増してくる時期です。
だからこそ、値動きをなるべく安定させながら、長期的な成長を目指す工夫が重要になります。
株式インデックスファンドは王道。でも注意点も
資産運用の中心となるのは、株式系のインデックスファンドです。
たとえば、全世界株式や先進国株式などは、以下のような特徴があります。
- 世界中の企業に分散投資できるため、経済成長の恩恵を幅広く受けられる
- 運用会社が投資先を入れ替えてくれるので、手間がかからない
- 手数料(信託報酬)が安く、長期投資に向いている
とても優秀な投資先ですが、短期的な値動きは大きいのが難点であり、1年で数%~数十%も上下することがあります。
ニュースやSNSでネガティブな情報が流れたときに、どうしても不安になることもあると思います。
「長期目線で持ち続ける」と頭でわかっていても、感情は簡単にコントロールできないものです。
不安をやわらげるには「分散」がカギ
では、どうすればよいのでしょうか?
その答えは、株式とは違う値動きをする資産を組み合わせることです。
こうすることで、ポートフォリオ全体の値動きを小さくでき、より安心して投資を続けやすくなります。
もう一つ、「将来の不確実性に備えられる」という点も分散投資の大きなメリットです。
AIなどテクノロジーの発展によって、社会の変化はますます加速し、未来の予測は難しくなっています。
だからこそ、「一つに偏らず、複数の資産に分ける」ことが、将来の安心につながるのです。
成長投資枠で選べる「3つの資産タイプ」
成長投資枠の魅力は、株式だけでなく、さまざまな資産クラスのファンドが選べることです。
代表的な3つの資産を紹介します。
1. 債券ファンド
国内外の債券に投資するファンドです。値動きが小さく、安定感があるのが特徴。
株式に比べるとリターンは控えめですが、資産運用のクッション役として頼れます。
2. リートファンド(不動産投資信託)
不動産市場に投資するファンドです。株式に近いリターンを狙いながら、同時に分散効果も期待できます。
3. ゴールドファンド
金の価格に連動するファンドです。株式と値動きのタイミングが異なるため、リスク分散に大きく役立ちます。
バランスをどう取る?目安の組み合わせ
「債券だけにすれば安全?」と思う方もいますが、せっかく長期保有してもリターンが小さくなりすぎる可能性があります。
そこでおすすめなのは、株式を中心にしながら、一定割合で他の資産を混ぜることです。
たとえば、一つの目安としては次のようなイメージです。
- 株式ファンド:50~70%
- 債券・リート・ゴールド:30~50%
この比率であれば、成長性と安定性のバランスをとりやすいでしょう。もちろん、投資金額やライフプランによって調整は必要です。
まとめ:自分に合った比率を考えよう
40代以降の資産形成では、「短期の値動きに振り回されず、無理なく続けられる仕組みをつくること」が大切です。
成長投資枠は自由度が高い一方で、選び方によってはリスクも大きくなります。
だからこそ、株式を中心にしながら、債券やリート、ゴールドを組み合わせる工夫で、安心して長く続けられる投資を目指しましょう。
投稿者プロフィール

- 老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
- 「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。
最新の投稿
NISA2025年8月28日40代以降におすすめの成長投資枠の使い方:分散投資で安心の資産形成を
NISA2025年8月21日NISA成長投資枠はこう使う!中立FPがすすめる3つの投資スタイル
資産運用2025年8月15日そのDM、大丈夫?初心者でもできるデジタル詐欺対策
NISA2025年8月7日日本株ってどうなの?日経平均上昇から考える投資のヒント
お問い合わせ
お悩み・お困りごとは、
お気軽にお問い合わせください