本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆さまにとって、この一年が素晴らしい年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

私にとって2024年は、初めての書籍『50歳から老後資金を2倍にする「生涯投資」入門』を出版するなど、活動の幅が広がった年でした。

◇書籍の詳細はこちら
https://rousin-partners.com/paperback

2025年も、多くの方が自分に合った投資を安心して継続できるよう、役に立つ情報をお届けしていきたいと思っています。

さて、2024年からスタートした新NISA制度により、投資への一歩を踏み出した方や、これまでより投資額を増やした方もいらっしゃると思います。

そんな中で迎える2025年は、NISA制度を上手に活用しながら、自分に合った投資戦略を考える重要なタイミングです。

今回は、2025年の世界経済の展望や、NISAを活用した賢い投資戦略について解説していきます。

2025年の世界経済の見通しについて

米国では、個人消費が引き続き好調で、実質賃金の上昇も追い風となり、安定した成長が期待されています。

ただ一方で、金融引き締めの影響が残り、政策次第ではインフレが再び進む可能性も否定できません。

ヨーロッパでは、家計の収入が回復基調にあり、労働市場も少しずつ改善しています。

こうした状況が経済の立て直しを支えると見られていますが、高金利や国際情勢の不透明感が足かせになる可能性もあります。

一方、中国では、不動産市場の低迷が引き続き深刻な課題となっています。これが中国国内だけでなく、世界全体の経済にも影響を与える要因として注目されています。

こうしたさまざまな要因は、投資家の判断や金融市場の動きにも影響してくると考えられます。

投資信託は米国株への資金流入が続いている

次に、2024年12月末時点での投資信託の資金流入ランキングを見てみましょう。

参照元:日経新聞社(投信ランキング、資金流入ランキング)

上位2つにランクインしている「eMAXIS Slim 米国株S&P500」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、低コストで長期投資に向いたインデックスファンドです。

これらが多くの投資家に支持されているのは、ネット証券やNISAの普及が進んだ成果といえるでしょう。

ただし、3位の「A・バーンスタイン・米国成長株投信D」は、以下の理由からあまりおすすめできません。

・購入手数料が3.3%、信託報酬が1.73%と高額

・毎月分配型で複利効果が得られにくい

・NISA対象外であり、利益に税金がかかる

さらに、ランキングからは投資先が米国株式に偏っているという現状も見えてきます。

1位と3位はファンド名にもあるように米国株を対象としています。2位は全世界株ですが、その投資対象の約6割は米国株となっています。

米国株一辺倒の投資でよいのか?

投資信託のランキングを見ると、日本人の投資先が米国株に大きく依存している現状が浮き彫りになります。

米国株は過去数十年間にわたり、世界経済をけん引する存在として成長してきました。

しかし、米国優位な状況が永続的に続く保証はありませんし、米国の株式市場にはやや過熱感もみられます

次のチャートは過去5年間の米国株価指数(S&P500)の動きを示しています。

参照元:Google Finance(2025年1月3日時点のS&P500チャート)

この5年でS&P500は85%程度上昇しており、これを年利に換算すると約13%もの成長となっています。

過去数十年のスパンでみると、S&P500の成長率は年平均6~8%程度であり、最近5年間の約13%という成長率はやや過剰気味といえるでしょう。

こうした状況を踏まえると、これから先に米国株が伸び悩む時期がくることも想定されます。

そこで、株式市場の低迷期が訪れても、安心して投資を続けられる準備をしておくことが重要だと思います。

2025年は分散投資に目を向けよう

NISAで米国株だけに投資をしている方は、全世界株式ファンドへの投資割合を増やしてみるのもよいでしょう。

たとえば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、米国株の比率が約6割ながらも残り4割を他地域に分散投資しており、リスク軽減につながります。

また、投資のリスク(=値動き)を小さくしたい人は、さらなる分散投資も検討しましょう。

その場合、株式以外の資産タイプに分散することが有効です。

たとえば、債券、ゴールド、リートなどを対象とした投資信託を保有することで、投資資産全体のリスク(=値動き)を小さくする効果が期待できます。

NISAを利用した投資戦略

NISAには、「つみたて投資枠」「成長投資枠」という2つの投資枠があります。

全世界株式などの株式型ファンドに投資する場合は、つみたて投資枠から優先して利用しましょう。

一方、成長投資枠は個別株やアクティブファンドへの投資が可能ですが、私は「守りの投資」に活用することを提案します。

具体的には、債券やゴールドを投資対象としたファンドを保有することで、資産全体のリスクを抑えることを目指します。

なお、成長投資枠では一括投資も可能ですが、投資タイミングを見極めるのは難しいため、積立投資が無難です。

まとめ

2025年は、新NISAを賢く活用し、自分に合った投資戦略を見直す重要な一年となるでしょう。

新しい制度のもとで、これまで以上に多様な選択肢が広がっており、投資の幅を広げるチャンスでもあります。

米国株の成長は確かに魅力的ですが、一部の市場に偏ると不況時のダメージが大きくなるおそれがあります。

そのため、全世界株式や債券、ゴールドなど、多様な資産にバランスよく分散させることが大切です。

「自分に合った分散投資がわからない」という方は、気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

前野なおひと
前野なおひと老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。

Follow me!

お問い合わせ

お悩み・お困りごとは、
お気軽にお問い合わせください