「NISAの成長投資枠って、どう使えばよいですか?」
最近、こんなご相談をいただくことが増えています。
NISAは2024年から新しい制度に変わり、より多様な使いかたができるようになりました。
けれども、選択肢が増えたために「つみたて投資枠と成長投資枠、どちらをどう使えばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は 成長投資枠の基本と、投資スタイルに合わせた活用法 についてご紹介します。
まずはおさらい:NISAの2つの投資枠
NISAには2つの投資枠があります。
- つみたて投資枠
・年間120万円まで
・対象は「分散・積立・長期」に適した投資信託(主に株式を含むインデックスファンド)
- 成長投資枠
・年間240万円まで
・対象は個別株やETF(上場投資信託)、インデックスファンド、アクティブファンドなど幅広い商品
つみたて投資枠が「王道のコツコツ投資」だとすれば、成長投資枠は「もう一歩進んだ投資の自由枠」と言えます。
成長投資枠の正解は「ハイリターン狙い」ではない
「成長投資枠」という名前から、つい「もっと高いリターンを目指す枠」と思ってしまう方がいます。
確かに、個別株やアクティブファンドを選べば、うまくいけば大きな利益が得られる可能性はあります。
しかし、よほどの知識と経験、そして運がなければ、インデックスファンドに勝つのは難しいのが現実。
したがって、成長投資枠をどう使うかは「自分がどんな投資スタイルを望むのか」で考えることが大切です。
初級編:つみたて投資枠の延長として使う
こんな方におすすめです。
- 銘柄選びや管理に時間をかけたくない
- 値動きは気にせず、完全にほったらかしにしたい
- 投資資金を使うまで15~20年以上ある
方法
つみたて投資枠と同じ「全世界株式インデックスファンド」などを購入します。
つみたて投資枠の年間上限(120万円)を超える部分を、成長投資枠で補うイメージですね。
長期でコツコツ投資を続けたい方にとって、もっともシンプルであり、管理がラクな使い方です。
中級編:リスクを下げる工夫をする
こんな方におすすめです。
- 「できるだけ安定感を重視したい」
- 投資資金を使うまで10~15年くらい
方法
株式だけでなく、債券・リート(不動産投資信託)・ゴールドなどに連動したインデックスファンドを組み合わせます。
全世界株式ファンドは長期的には成長が期待できますが、短期的には大きく値動きすることもあります。
一方で債券やゴールドなどは、株式とは異なる値動きをする傾向があるため、組み合わせることで全体のリスクを下げられるのです。
成長投資枠を活用して分散投資を広げれば、「より安心感のある長期投資」につながります。
私自身、40~50代以降の世代にはこの使い方をもっともおすすめしています。
上級編:配当や優待を楽しむ
こんな方におすすめです。
- 定期的なリターン(配当や株主優待)を得たい
- 銘柄選びや勉強の時間も楽しみたい
方法
個別株やETF(上場投資信託)を購入します。
ここでの目的は「インデックスファンドより大きなリターンを狙う」のではなく、配当金や株主優待を楽しむことです。
ただし、銘柄選びを誤ると元本割れのリスクもあります。学びながら、じっくり取り組むスタイルと考えてください。
まとめ:自分に合った使い方を選ぼう
成長投資枠は「攻めの投資」ではなく、「自分のスタイルに合わせて選べる自由枠」と考えると、より自分にあった資産形成の実現につながります。
- 初級編 → つみたて投資枠の延長でシンプルに
- 中級編 → 債券やゴールドなどで分散投資
- 上級編 → 配当や優待を楽しむ
大切なのは「無理をせず、自分にあった安心できる方法を選ぶこと」です。
成長投資枠は工夫次第で、資産形成をもっと豊かにしてくれる存在になると思います。
投稿者プロフィール

- 老後の安心を育てる🌱資産形成・お金のパートナー
- 「人に教える仕事がしたい」という想いから会社を辞めて独立し、以前から取り組んでいた投資の知識を活かして資産運用講座をスタート。ところが、受講者の多くが抱えている老後資金への不安を解消するには、資産運用の知識だけでは不十分であり、家計や保険、年金など幅広い「お金の知識」が必要なことに気づく。そこで、お金の専門家であるFP資格を取得し、一人ひとりの状況に応じたサポートを開始。FPとしての専門知識を深めることで「寄り添ってもらえる」「安心して相談できる」と評価されるようになり、成長を遂げる。現在は、主に老後資金への不安を抱える女性に対して、完全に独立したFPとして中立な立場でのFPコンサルタントを通して、適切な家計管理や資産形成をサポート、自由で豊かな老後を実現していただくための基盤づくりに貢献している。また、学びのマーケット「ストアカ」の講師として650名以上に対し資産運用などを教える講座を開催し、最高ランクのバッジである「プラチナ」を取得。現在も引き続き講師活動を展開している。
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